モジュラーケーブルの特徴や選び方を詳しく紹介

電話機やモデムの接続に必須のアイテム「モジュラーケーブル」は、速度、価格、タイプによって異なる種類が用意されています。
いざ購入しようと思ってもあまりにも種類が多くて悩んでしまっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、モジュラーケーブルに関する理解を深めるために、特徴、利用シーン、メリット、選び方について詳しく解説していきます。
モジュラーケーブルの特徴

モジュラーケーブルの特徴は、次のとおりです。
・柔軟性が高い
・取り外し可能なコネクター
・長さの調整可能
・配線の変更が簡単
それぞれの特徴について解説します。
柔軟性が高い
モジュラーケーブルは柔軟性が高く、挿入時は爪を軽く押し込むことができて、深部まで到達すると爪が跳ね返り内部で固定される仕組みになっています。
軽くラッチを押すだけでそり曲がる作りになっているため、狭い場所やたくさんの回線が貼られている場所でも設置しやすいです。
また、モジュラーケーブルは自作できるため、100m〜300mほどの長さのものを使って自由にカスタムできる変幻自由さが魅力です。
取り外し可能なコネクター
モジュラーラックは簡単に取り外しができるコネクターのため、他の回線よりも工事が簡単で自分で済ませることができます。
コネクターを抜きたい時は、ラッチの下部に指を押し込みながら引っ張れば簡単に取り外しが完了します。
強い力やむずかしい専門知識がなくても、誰でも簡単に取り外し作業ができるようになりました。
長さ調整可能
モジュラーケーブルは長さの調整ができるため、自宅が広かったり、電話機やモデムを置く場所によっては遠くから引くことができます。
ただし、注意点としてモジュラーケーブルはLANケーブルと比較して電波(ノイズ)に影響されやすいため、できるだけ短いものを選んだ方が使い勝手が良いです。
配線の変更が簡単
モジュラーケーブルは配線の変更が簡単に行えるため、工事費などがかかりません。
モジュラーケーブルが劣化した場合、新品を用意すれば自分で取り外して配線を変更できます。
従来の方法であれば、新しい接続や配線の交換のタイミングで、業者を呼ぶ必要があったため、手軽さがモジュラーケーブルの強みとして挙げられます。
モジュラーケーブルの利用シーン

モジュラーケーブルの利用シーンは、主に次のとおりです。
・サーバー・データセンター
・自宅のパソコン・AVシステ�
・オフィスのLAN・周辺機器
それぞれの利用シーンについて解説します。
サーバー・データセンター
主にインターネット向けのサーバーを通信サービスの装置に設置・運用している物理的な施設「データー・センター」では、モジュラーケーブルを使用します。
インターネットを経由した仮想環境で利用するクラウドと異なり、サーバー・データセンターは、ハードウェアとソフトウェアのコネクションが必要です。
その際に、モジュラーケーブルはハードウェアに接続するだけでインターネット環境が整うため、他の方法でインターネット環境を整えるより簡単です。
自宅のパソコン・AVシステム
集合住宅に住んでいて、共有スペースから各部屋までの電話用ケーブル(VDSL)を自宅のパソコン・AVシステムにつなげる際に、モジュラーケーブルを使用します。
光コンセントやLANコンセントと比較すると通信速度がやや遅めと言われていますが、一般的な利用であれば30Mbpsあれば十分と言われているため快適に利用できます。
自宅で大掛かりな工事作業はなく、ご自身でモジュラーケーブルの取り付けができたり、リモートで場所を変えるたびに取り外しが手軽にできます。
オフィスのLAN・周辺機器
複数のハードウェアでインターネット通信を分け合うため、オフィスのLAN・周辺機器をつなげる際に、モジュラーケーブルを使います。
オフィスの建物にモジュラージャックが取り付けられていれば、簡単な屋内配線を行うだけでインターネット環境が整います。
モジュラーケーブルはケーブルの長さが調整できるため、広いオフィスや他の接続物が乱雑になっていても取り付けやすいです。
モジュラーケーブルを採用するメリット

モジュラーケーブルを採用するメリットは、次のとおりです。
・取り外し可能なコネクターにより、長さや接続方法の変更が簡単
・柔軟性が高いため、複数のデバイスを繋ぐ際にフレキシブルな接続が可能
・配線の変更も容易なため、システムのアップグレードやリモートの場所にも対応可能
それぞれのメリットについて解説します。
取り外し可能なコネクターにより、長さや接続方法の変更が簡単
モジュラーケーブルは、ラッチを指で動かすだけで簡単に取り外しができる仕組みです。
自宅やオフィスに取り付けるモジュラーケーブルの位置を自由に変えたり、長いもの、短いものを自由に選んで都度自分で変えられます。
モジュラージャックが普及する前までは、取り付けが複雑だったため、有資格者による特別な工事が必要でしたが、現在は取り付けやすいように変更されています。
柔軟性が高いため、複数のデバイスを繋ぐ際にフレキシブルな接続が可能
モジュラーケーブルは、軽く押すだけでグネグネと曲がる柔軟性の高い仕組みです。
狭い場所や家具の周りに巻き付けたい場合でも、自由自在に形を動かせて邪魔になりません。
また、複数のデバイス間でつなぎ合わせても場所がかさばることなく設置できます。
配線の変更も容易なため、システムのアップグレードやリモートの場所にも対応可能
モジュラーケーブルは、ご自身で簡単に屋内配線ができるほど配線変更が容易です。
劣化したハードウェアを交換したいとき、システムをグレードアップさせたいときでも、業者を呼ぶことなく配線の取り替え作業ができます。
また、リモートワーク等で場所を変えたいときも、負担が少ないです。
モジュラーケーブルとLANケーブルの違いとは?
モジュラーケーブルとLANケーブルの違いは、次のとおりです。
モジュラーケーブル | LANケーブル | |
電話 | ○ | × |
インターネット | ○ | ○ |
金属製の極数 | 6本 | 8本 |
種類 | 少ない | 多い |
モジュラーケーブルとLANケーブルの主な違いは、電話を使えるかどうかです。
モジュラーケーブルのタイプは3つ

モジュラーケーブルのタイプは、次の3種類に分けられます。
・6極2芯(電話機・FAXモデム・ADLS)
・6極4芯(一般電話・ビジネスホン・多機能電話)
・6極6芯(ドアホン・FAX)
それぞれのタイプについて解説します。
電話機・FAX・モデム・ADLSは6極2芯
6極2芯は、モジュラーケーブルの中で最も多くのシチュエーションで使用されているタイプです。
・一般電話機
・FAX
・多機能電話機
・モデ�
・DSU
・ターミナルアダプター
ストレートとロールオーバーに関する多機能電話機の大半は6極2芯で動作しますが、極性が入れ替わっても問題ないため、6極4芯を使うことも可能です。
一般電話・ビジネスホン・多機能電話は6極4芯
6極4芯は、テレビやモデムとは別にビジネスフォンや電話で使用されているタイプのモジュラーケーブルです。
・多機能電話機
・停電多機能電話機
・警備装備
モジュラーケーブルの大きいタイプは、小さいタイプの機能を補うことができるため、6極4芯を使っておけば、基本的には問題ありません。
ドアホン・FAXは6極6芯
6極6芯は、他の2つのタイプと比べると利用頻度が少ないモジュラーケーブルです。
・DSSコンソール付き多機能電話機
・中継台
・インターフォン付き電話機
6極2芯、6極4芯と比較すると、6極6芯は使われる機会が圧倒的に少ないため、お店にも置かれていません。
モジュラーケーブルの選び方

モジュラーケーブルの選び方は、次のとおりです。
・ケーブルの長さがちょうどいいか
・利用シーンに適したケーブル形状であるかどうか
・シールドがついているかどうか
・購入しやすい価格であるかどうか
それぞれの選び方について解説します。
ケーブルの長さがちょうどいいか
モジュラーケーブルは、0.2m〜30mまでさまざまな長さが設けられていて、モジュラーケーブルを設置する位置に合わせて最適な長さを選べます。
原則として、モジュラーケーブルの長さが伸びるほどノイズが増えるため、必要以上の長さを購入することは避けてください。
ノイズの少ないケーブルの長さはどれくらい?
モジュラーケーブルを使って快適なネット環境を作りたいのであれば、50cm〜1mを推奨します。
ただし、電話をメインに使用するだけであれば1m〜10mほどの長さでもノイズが気になることはありません。
モジュラーケーブルは、自作できるため、どうしても中途半端な長さになる場合は、自分で長さを調整する方法もあります。
利用シーンに適したケーブル形状であるかどうか
モジュラーケーブルには、「スタンダードケーブル」と「フラットケーブル」の2種類があるため、利用シーンに適したケーブルを選ぶ必要があります。
スタンダードケーブル
スタンダードケーブルとは、丸い形状をしたケーブルでごく一般的なものです。
メーカーやモデルによって細かい太さが異なるものの、細かいこだわりがない方はスタンダードケーブルを購入して問題ありません。
フラットケーブル
フラットケーブルとは、平な形状をしたケーブルで、スタンダードケーブルと比較すると種類や機能性が豊富に揃っていて、次のようなメリットがあります。
・平らのため、つまずいたり壊れたりしにくい
・カーペットやマット下に置いても目立ちにくい
・短いケーブルで配線可能
・ケーブルの長さが短くなるほど安くなるためコストダウンになる
スタンダードケーブルよりも耐久性に弱い点がデメリットとして挙げられるものの、廊下や人通りの多い場所に配線を引かなくてはならない場合に最適です。
シールドが付いているかどうか
電化製品等を近くに置いたりする場合、ノイズの影響を受けやすくなるためシールドがついているタイプを購入することをおすすめします。
ノイズは、通信速度の低下やインターネット接続を不安定にさせる作用があり、結果的に破損や誤作動に繋がります。
シールドを使えば、雷等の自然ノイズ、電子レンジやモーター、PC等の人工ノイズどちらも遮断する機能が搭載されています。
「フェライトコア」はノイズの影響を抑える
いくつかの種類がある中でも、ノイズ遮断の効果が高いと言われているのが「フェライトコア」と呼ばれるモジュラーケーブルです。
筒状のノイズフィルターが搭載されているため、高周波を吸収する特性によって通信速度やインターネット環境の安定を促進します。
購入しやすい価格であるかどうか?
モジュラーケーブルの価格の幅が広いため、予算にあったものの中から選んでください。
一般的には、家庭用のものであれば安価なものがありますが、耐久性や機能性、オフィス用でケーブルが長いタイプは高額になりやすいです。
「安い=粗悪品」ではないので、ご自身の利用場所や利用用途にあったものを見つけて購入しましょう。
モジュラーケーブルの相場
モジュラーケーブルの相場は数百円〜数万円と幅が広く、機能面やケーブルの長さなどによって変動します。
一般的にモジュラーケーブルの耐久年数は10年ほどと言われているため、できるだけ長期間利用したい場合は、耐久性のあるものを選んでください。
AmazonなどのECサイトでも手軽に購入できるため、商品説明やカスタマーレビューなどを参考にして購入するものを選べます。
モジュラーケーブルについて理解しよう

この記事での結論をまとめると、
・モジュラーケーブルは、自分で取り付け作業ができるタイプで設置場所に合わせたカスタマイズが簡単に行える
・モジュラーケーブルは、「接続の簡易さ」「柔軟性の高さ」「配線変更の容易さ」がメリットである
・モジュラーケーブルとLANケーブルは電話が使えるかどうかの違いがある
・モジュラーケーブルには「2芯」「4芯」「6芯」の3種類のタイプがある
・モジュラーケーブルにはたくさんの種類があるため、「ケーブルの長さ」「利用用途」「シールドの有無」「価格帯」を参考にする
ということが分かりました。
電話機やモデムを接続したいけど、モジュラーケーブルの種類が多すぎてどれにすれば良いか悩んでいる方も選びやすくなったのではないでしょうか。最近では、電化製品のお店以外にオンライン購入できるため、たくさんの選択肢の中から最適なものを購入してみてください。