複合機のADFとは?活用のポイントや生産性UPの方法を紹介

複合機にはさまざまな便利な機能が搭載されていますが、中でも大量の原稿や資料をスキャン・コピーするのに役立つのが「ADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)」です。
ADFは複写機やスキャナー専用機、そして複合機に搭載されている機能の1つですが、複合機においてはADFの活用でビジネス上の生産性向上やペーパーレス推進を進めることができます。
この記事では、複合機のADFについて
- ADF機能付き複合機を選ぶときのポイントなるADFスペック
- ADF活用のポイント
- ADF使用時の注意点
- ADFを使った生産性向上方法
などについて解説していきます。
それでは、見ていきましょう。
複合機のADFとは?

ADFはAutomatic Document Feede(自動原稿送り装置)の略で、その名の通り大量の原稿や資料などを自動で複合機に読み込む機能で多くの手間と時間を省いてくれます。
ADFは、複合機の蓋に一体化して装備されている機材が多く、ADFに1枚以上複数枚の原稿・資料を差し込みスタートボタンを押すだけで、次から次へと自動で原稿を読み込み、読み込んだ原稿や資料は、それぞれの目的に合わせてスキャン・コピー・FAXすることができます。
オフィスに設置されているほとんどの全ての複合機にはADFが搭載されていますが、近年はコロナ禍の影響で在宅勤務が進んだことから小型のインクジェット複合機にもADFが搭載されたモデルも普及していて、用途に応じた複合機モデルを選択することで業務効率UPが期待されます。
ADFのスペック(ADF機能付き複合機を選ぶ際のポイント)

ADFのスペックはADF機能付き複合機を選ぶ際のポイントとなります。
ADFのスペックは以下の項目に注意しましょう。
- 原稿セット枚数
- 原稿サイズ
- 用紙の種類
- ADFの原稿読み取り速度
- 両面読み取り機能
原稿セット枚数
<一般的な複合機のADF原稿セット枚数>
- 業務用複合機ADF原稿セット枚数:200枚〜300枚程度
- 家庭用複合機ADF原稿セット枚数:10枚〜30枚程度
ADFにセットできる原稿の枚数が多ければ多いほど生産性はUPします。
大量の原稿を一度に処理して原稿交換の手間を省くことを考慮した場合、自社で扱う原稿の1セットの量がどの程度なのかを参考にして機種を選ぶ必要があります。
原稿のサイズ
複合機の原稿台で読み取れる最大の原稿サイズから最小の原稿サイズまでが、そのままADFで読み取れる原稿サイズです。
一般的な業務用複合機ではだいたい最大サイズがA4サイズかA3サイズのものが多いですが、A2サイズ以上の原稿サイズに対応したものや非定型サイズに対応したものもあります。
自社の業務で取り扱う原稿のサイズを考慮して機種を選ぶ必要があります
用紙の種類
ADFに通せる用紙の厚みや種類もポイントとなります。
複合機の原稿台には載せられる定型のA4サイズにも画用紙のような厚いものもあれば半紙のような薄い用紙、そしてハガキなど用紙の種類や厚みは様々です。
自社が複合機に読み取らせたい原稿の種類についても考慮しなければなりません。
ADFの原稿読み取り速度
<一般的な原稿読み取り速度/分(1分間の読み取り速度)>
- 業務用複合機:50面/分〜80面/分
- 家庭用複合機:8面/分〜15面/分
ADFの読み取り速度は「1分間にA4用紙(短辺向き)を何枚読み取れるか」が記されています。
ちなみに、コピーの印刷速度も同様に表されます。
ADFの原稿読み取り速度が速ければ速いほど業務の効率が上がるのは間違いありませんが、複合機の製品設計ごとに読み取り速度は大きな差があり、製品によっては1分間に300面近く読み取る機種もあります。
両面読み取り機能
両面読み取り機能の有無も読み取り速度や原稿セット枚数と共に業務の効率化を図る上で大きなポイントとなります。
両面に印刷されて原稿を片面の読み込みしかできないADFで読み取るのと両面読み取り機能を持つADFで読み取るのでは、一度で済む手間を原稿の枚数分原稿をセットし直さなければならないため、大変な労力を必要とします。
自社で扱う原稿が両面に印刷されたものが多い場合は、両面読み取り機能を装備した複合機を優先的に選択する必要があります。
複合機の便利なADF機能

複合機に搭載されたADFには様々な機能があり、モデルにより搭載されている機能には違いがあります。
ここでは代表的なADFの機能を紹介します。
重送検知
重送とはADFで原稿を読み込む際に複数の原稿を同時に送り込んでしまうことを指します。
複数の原稿を同時に送り込んでしまうと、重なった原稿は読み取ることができないので失敗です。
重送検知機能はADFで原稿を送り込む際に上下から超音波を当てて、その超音波の変化から重送を検知します。
重送が検知されると読み込みを停止しシグナルを発信するか、やり直しを試みます。
白紙検知
白紙検知とは、ADFで白紙の原稿が読み取られた際に、その白紙原稿を飛ばして読み取ったり、白紙が検知されたシグナルをコントロールパネルに表示する機能です。
原稿に白紙が混じってしまうとコピー用紙や時間が無駄に使われてしまいますが、白紙検知機能はそうした無駄を省いてくれます。
自動両面読み取り機能
ADFの自動両面読み取り機能には2つのタイプがあります。
- 両面原稿自動反転
- ワンパス
両面原稿自動反転
両面原稿自動反転は、まず片面を読み込み原稿を自動的に反転させてもう一面を読み取る機能です。
ワンパス
ワンパスは両面同時読み取りとも呼ばれ、1回で表裏両面を同時に読み取る機能です。
OCR機能
OCR機能とは、読み取った画像から画像内に記されている文字をテキストデータに変換する機能で、正式にはOptical Character Recognition:光学文字認識機能と呼ばれます。
OCR機能は複合機本体の機能ですが、ADFを使えば大量の画像原稿から文字情報を素早く得ることができます。
クラウド保存機能
これまでは複合機に読み込んだデータは内部・外部メモリに保存したり、eメールで送信してパソコンに保存されるのが一般的でしたが、クラウドサービスの登場によりクラウド上の文書管理ツールを活用したデータ保存を可能とする機種も多くなってきています。
クラウド保存機能も複合機本体の機能ですが、ADFを活用すれば大量の紙データをクラウド上に容易に保存でき生産性をUPできます。
操作パネルでのプレビュー
ADFで読み込んだデータを複合機の操作パネル上でプレビューし、並べ替えや削除、回転といった編集を行うことができます。
ADF導入のポイント

ADF機能は以下の2つのポイントから導入メリットがあるといえます。
- 業務の効率をUPさせる
- ペーパーレスを推進させる
業務の効率をUPさせる
ADFの導入は業務を効率化させ、生産性を向上させます。
ADF機能がない場合は、複合機の蓋を開けて原稿台に原稿をセットして、蓋を閉めてスタートボタンを押すといった行為を原稿の枚数分繰り返さなければなりませんが、ADF機能を利用することで一連の手間を大幅に縮小させ時間の短縮につながります。
ADF機能のある無しにより、手間と時間を省略させることで業務効率を上げることができるのが導入のメリットと言えます。
オフィスのDXを推進させる
オフィスのDX を推進するためには、これまで保存していた大量の紙媒体の文書・書類をスキャンして電子データ化する必要があります。
手間のかかる作業ですがADF搭載の複合機を活用することで、効率よく大量の文書・書類をスキャンしていけるので、オフィスに保管されている文書・書類の電子化にも現実性が増してきます。
スキャンしたデータは複合機本体からクラウド上に保存することも可能で、オフィスのDXを一歩前に進めることができるでしょう。
ADFを使う際の注意点

業務の効率化には欠かせないADFですが利用にあたって注意しなければならない点が6つあります。
- 普通紙以外の原稿に注意
- 破損や汚れのある原稿に注意
- 用紙の種類やサイズに注意
- クリップやホチキスの針に注意
- 製本された原稿には非対応
- ADF読み込み部分の汚れに注意
これらの注意事項を明確にすることでADFをさらに効率よく使いこなせるでしょう。
普通紙以外の原稿に注意
ADFのスペック項目には「原稿坪量」という用紙の厚みを表す単位が表示されています。
- 原稿坪量とは『用紙1㎡あたりの重量:g/㎡』
多くのADFではほぼ40〜200g/㎡の厚みに対応しています。
ADFにセットする用紙がこの厚みを超えている場合や、逆に薄い場合は推奨されてなく紙詰まりの原因となります。
注意を要する用紙としては次のものがあげられます。
- ハガキ
- 感熱紙
- OHPフィルム
- トレーシングペーパー
など
破損や汚れのある原稿に注意
ADFにセットする原稿の状態には注意が必要です。
原稿が破れていたり折れ曲がっていたりすると紙詰まりの原因となります。
また、ノリなど粘着質なものが付着している原稿も紙詰まりの原因となるので注意が必要です。
用紙の一部をカットされている原稿などは、読み込みは無事できても正しいサイズを認識できない恐れがあります。
原稿に記されたインクが乾いていなかったり、鉛筆などで書かれた文字が濃かったりするとADFの内部が汚れ、その後の読み取りに支障をきたすことがあるので要注意です。
用紙の種類やサイズに注意
原稿を読み取る場合には用紙設定が自分の読み取りたい原稿に設定されているのか注意が必要です。
ADFの多くは、対応できる用紙の厚さが決まっているので、それに適合しない用紙をADFに装填すると紙詰まりの原因となります。
多くのADFが対応する紙の厚さはだいたい40〜200g/㎡です。
クリップやホチキスの針に注意
原稿にクリップやホチキスの針が残っている状態でADFに装填して紙を送ってしまうと、ADFの故障の原因となります。
製本された原稿は解体が必要
雑誌や書籍は解体して原稿の一枚一枚が離れていることを丁寧に確認した上でADFに原稿を装填してください。
原稿がくっついていたりホチキスの針が残っていたりすると紙詰まりや故障の原因となります。
ADF読み込み部分の汚れに注意
ADFの読み込み部分の汚れには特に注意が必要です。
特に濃い鉛筆で書かれたり、インクが乾いていない原稿や修正液が乾いていない状態でADFを通して読み込んでしまうと、読み込み部分に汚れがつき、全てのデータに汚れが付着した状態で保存されていまします。
読み込み部分は定期的にクリーニングすることをお勧めします。
ADFと複合機の他の機能の組み合わせで生産性が向上

ADF機能は複合機の機能を併用することでさらに生産性を向上させることができます。
その代表的な機能は以下の3つです。
- ソート
- ステーブル
- ブックレット
ソート
ソートとは複数ページの原稿を製本できるページ順に並べてコピーする機能です。
ADFとソートを併用すれば、原稿をセットしてソートを設定しスタートするだけで、1部ごとに製本できる形でコピーされます。
プレゼン資料などを人数分準備する際には欠かせない機能と言えるでしょう。
ステーブル
ステーブルはコピーの終わりに自動でホッチキス留めしてくれる機能です。
ADF・ソートと併用すればページ数が多く大量の部数を必要とする資料も簡単に作成でき生産性が向上するでしょう。
ブックレット
ブックレットとは小冊子のことです。
具体的には、1枚の紙の左右に1ページずつ2ページを両面印刷し、ページを自動で並び替えて、中綴じにして冊子にする機能です。
カタログやパンフレットなどのコピーが簡単に冊子として仕上がり、業務の生産性向上に役立ちます。
まとめ
この記事では、複合機のADFについて
- ADF活用のポイント
- ADF使用時の注意点
- ADFを使った生産性向上方法
などについて解説してきました。
ADF付きの複合機は以下のポイントを押さえて選択するといいでしょう。
・両面読み取りが可能か?
・「最大」読取サイズと「最小」読取サイズ
・読み取り速度
・一度にセット可能な原稿枚数
ADF付き複合機を上手く活用して、コピーやスキャンなどの業務効率UPと生産性向上を実現し、そしてオフィスのDXを推進しましょう。