知らなかったでは済まされない!会社のパソコンやOA機器の廃棄や正しい処分の方法とは

オフィスで使う事務機器(OA機器)全般のことを「OA什器」といいます。
OA機器の処分についてお困りではありませんか?
この記事では、OA機器を適正に処分する方法について、詳しく紹介していきます。
OA機器の入替えや処分を検討されている場合はぜひ参考にしてみてください。
OA機器の処分方法は決まってる?

OA機器の種類を具体的に挙げると次のとおりです。
- 電話
- パソコン
- コピー機
- ファクシミリ(FAX)
- シュレッダー
通常、企業から排出される「ごみ」は、家庭ごみとは区別されています。
そのため、これらのOA機器についても「一般ごみ」として簡単に捨てることは出来ません。
OA機器は「産業廃棄物」扱いになる
「産業廃棄物」というと、工場にある大きな機械や工事現場などの鉄筋や工具などを連想するかもしれません。
しかし、企業からの廃棄物は基本的に「産業廃棄物」であるという扱いになります。
つまり、OA機器も企業が廃棄するものなので、扱いは「産業廃棄物」です。
処分する場合は、産業廃棄物処理の許可を有する専門業者に委託する必要があります。
産業廃棄物の処分が不適切だと罰則を受ける

産業廃棄物であるOA機器を勝手に処分したり、産業廃棄物処理の許可を持たない業者に依頼したり、不適切な処理をした場合には法律違反となります。
そうなると、以下のような厳しい罰則を受けることになるため注意が必要です。
産業廃棄物を適正に処分せずに不法投棄した場合
5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金、またはこれの併科
(法人に対しては3億円以下の罰金)
産業廃棄物処理無許可業者へ委託した場合
5年以下の懲役もしくは1,000万円の罰金またはこれの併科
委託契約書を作成せずに産業廃棄物の収集・運搬を委託した場合
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金またはこれの併科
産業廃棄物の不法投棄は増加している

OA機器を含めた産業廃棄物の不法投棄は、残念なことに年々増加しています。
これには、背景として処分する際にかかる費用がかさむことが要因としてあります。
産業廃棄物の処理に関する罰則は厳しい
産業廃棄物の不法投棄は、水質汚染や土壌汚染といった環境汚染につながります。
近年多くの産業廃棄物が不法投棄されたこともあり、未遂であっても発覚すれば罰則の対象になります。
産業廃棄物の処理方法は法律により厳格に定められ、違反した場合の罰則は現状も厳しいものになっています。
SDGsへの取り組みとの兼ね合いからも、今後ますます厳しくなっていくことが考えられます。
リサイクルという選択肢
OA機器を処分する費用を抑える選択肢として、「買い取り」や「リサイクル」を検討するのも1つの方法です。
オフィスの移転や拠点の縮小などにより、機器に余剰が発生した場合に廃棄処理と並行してリサイクルをすると環境に配慮しつつ、コスト削減にもつながります。
OA機器を処分する際の業者選びのポイント

OA機器を処分する際に委託する産業廃棄物専門業者を選ぶ際に注意すべき3つのポイントについて紹介します。
- ●許可証を持っているか
- ●必ず相見積もりをとる
- ●料金プランの内容を確認する
許可証を持っているか
産業廃棄物の「運搬」「処理」は許可証を持っている業者しか行えません。
そのため、まずは「許可証」を持っている業者かどうかを確認しましょう。
万が一、無許可の業者に依頼してしまった場合、「知らなかった」ではすまされません。
「無許可という認識がなかった」という場合であっても、依頼(排出)した事業者側も責任を問われ、罰金刑や懲役刑を科されることになります。
必ず相見積もりをとる
業者を選定する際は複数の業者から相見積もりをとることも大切なポイントです。
見積もりが1社のみだと適正価格かどうかの判断がつきません。
必ず相見積もりをとって比較しましょう。
また、見積が他の業者や相場と比べて極端に安価な場合には注意が必要です。
不自然な価格設定の場合、「必要な許可を得ていない」「後から追加料金を請求する」など悪質な業者である可能性があります。
料金プランの内容を確認する
業者によっては、「固定金額」や「セット料金」などのプランを用意しているケースもあります。
ただし、その内容によっては逆に損をしてしまう場合もあるので注意しましょう。
例えば、料金の算出方法が「重さ」なのか「トラックの台数」なのかによって料金が大きく変わってしまう恐れがあります。
悪質な業者に依頼してしまった場合には、都合の良いように誤魔化されてしまうかもしれません。
もし、「固定金額」や「セット料金」などプラン料金を利用したいと考えているのであれば、口コミをチェックするなど事前に業者の評判や実績などを確認しておくと安心です。
OA機器の処分を適切に行う流れ

OA機器を適切に処分するための大まかな流れをご紹介します。
- ●廃棄物処理の委託業者を探して、契約する
- ●マニフェストを記入し、委託業者に渡す
- ●委託業者においてOA機器を処分する
- ●OA機器の処分完了の報告を受ける
廃棄物処理の委託業者を探して、契約する
産業廃棄物である事務機器(OA機器)を処理するためには、適切な処理業者と書面で委託契約を交わすことが必要です。
そのため、まずは委託先の業者を選定することからスタートします。
その際、産業廃棄物処分業としての許可を取っているかどうかを必ず確認しておきましょう。
無許可業者に委託するのは法律違反となります。
マニフェストを記入し、委託業者に渡す
廃棄物を処理するためには、廃棄物の種類や量・運搬業者などを細かく記入したマニフェスト(管理票)の交付が必要です。
基本的にマニフェストは依頼した排出事業者が用意するべきですが、実際のところ、委託先の運搬業者がマニフェストを用意するケースが多いです。
排出事業者は処分業者にOA機器を引き渡す際、お互いにマニフェストを記入し内容を確認します。
委託業者においてOA機器を処分する
廃棄物となったOA機器は、マニフェストや法律に基づき、委託した業者によって適切な処分やリサイクルが行われます。
マニフェストがあることによって確認できること
OA機器の処分においてマニフェストの果たす目的は大きく次の2つがあります。
- ●OA機器の処理の流れを記録に残す
└処理の流れや手順を記録し、不法投棄されていないか確認しておくことができる - ●適切に処分ができたかを確認できる
└適切に処分ができたか確認できるとともに、マニフェストの写しで内容も確認できる
OA機器の処分完了の報告を受ける
処分完了のマニフェストを受け取り、内容を確認します。マニフェストは交付した日から5年間の保存義務があります。こちらも必ず守りましょう。
OA機器を処分する際に事業者側が負う責任

OA機器を処分する際には、産業廃棄物を排出する側として果たすべき責任があります。
ここでは、その責任について解説します。
事業者が自らの責任において、適正に処理を行う
「廃棄物処理法」の第3条には「事業者は、事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と記載されています。
これは、つまり業者に処理を委託したとしても「処理業者任せにしてはいけない」ということです。
廃棄物の処理を第三者の専門業者に委託することは合法です。
ただし、委託したとしても処分が完了するまで責任を持って管理する必要があります。
第三者に処分を委託する際は「委託基準」を守り書面で契約を交わす
産業廃棄物を排出した事業者は「委託基準」に基づき廃棄物の運搬及び処分を専門業者に委託します。
委託の際は、事前に廃棄物について許可を受けている運搬業者や処分業者とそれぞれ「委託契約書」を取り交わすことが法律で定められています。
処分する廃棄物を「マニフェスト」を利用して管理する
産業廃棄物を排出した事業者は、マニフェスト(産業廃棄物管理表)を交付し、廃棄物を厳正に管理しなくてはなりません。
また、そのマニフェストは発行後5年間は保存しなければなりません。
これも法律で定められていることであるため、違反すると罰則が科せられます。
マニフェストの交付について注意点

OA機器を処分する際、マニフェストの交付は不法投棄を未然に防ぐ上でも欠かせない存在です。
マニフェストを自ら作成するにしても、廃棄物の処理を委託する業者に作成を依頼するにしても注意しておきたいポイントについて紹介します。
- ●廃棄物の種類ごとにマニフェストを交付
- ●処理場ごとにマニフェストを交付
- ●マニフェストは廃棄物の引き渡しと同時に交付
廃棄物の種類ごとに交付
マニフェストは、廃棄物の種類ごとに交付が必要です。
理由は、廃棄物の種類によって処理方法が異なるためです。
そのため、廃油と廃プラスチック類を同時に処理する場合は、2つのマニフェストを用意することになります。
処理場ごとに交付
複数の種類の廃棄物を運搬する場合や大量の廃棄物を処理する場合は処理場が別々になることもあります。
その場合は、廃棄物の処理場ごとにマニフェストを交付を行います。
廃棄物の引渡しと同時に交付
マニフェストは廃棄物の引き渡しと同時に交付します。
廃棄物を業者に引き渡す前に必要事項を記入し、引き渡しの際にマニフェストを交付できるよう準備しておきましょう。
万が一、交付日などに虚偽があった場合には罰せられるので注意が必要です。
OA機器を処分する前の準備しておくこと

OA機器の中でも、特にパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル機器は、廃棄前にデータを抹消しておくことも重要です。
しかし、いざ処分するとなるとどのようにしたらいいか迷う方もいるでしょう。
ここでは各機器別の処分前におこなう注意点をまとめて紹介します。
パソコン
パソコン本体は、CPU、メモリー、記憶装置、ケースなどのさまざまなパーツの集合体です。
その中には、有害な物質が含まれる部品や資源として再利用できる部分も多く含まれているので、そのまま処分することはできません。
事業系パソコンについては、購入したメーカーによるリサイクル窓口に申し込みを行うのがベストだといえます。
スマホ・タブレット
昨今のビジネスでは、もはやスマホやタブレッドは欠かせなくなっています。
スマホやタブレッドは、個人情報や社内外の情報の塊とでもいうべきものになっているといっても過言ではありません。
そのため、その扱いには十分な慎重を期す必要があります。
アップルやGoogleなどのスマホメーカーでは、機種変更のする際に旧機種を下取りに出すことで、新機種を安く手に入れられるサービスを行っています。
これらのメーカーによる下取りサービスでは、旧機種を完全消去し、メーカー側で責任を持って処分してくれるので安全性は高いといえます。
ディスプレイやプリンターなどの周辺機器
ディスプレイやプリンターなど記憶装置を搭載していない周辺機器については、データ漏洩の危険性はありません。
しかし、環境に有害な物質が含まれる場合もあるため、処分は適切に行う必要があります。
メーカーの回収サービスがある場合は、そちらを利用するのも安全なのでおすすめです。
HDD、USBメモリーなどの記憶装置
データを記録するHDD、USBメモリーなどの媒体については、特に注意が必要です。
廃棄した記憶装置から個人情報などが流出してしまうなど大惨事に発展する可能性があるからです。
廃棄前にフォーマットを行ったとしても、専用ソフトでデータを復元されてしまう可能性は残ってしまいます。
そういった事態を防ぐためにも、データを復元できないように廃棄前に「完全消去」を徹底しましょう。
OA機器は産業廃棄物なので正しく処分しよう

OA機器は、産業廃棄物のため法律に則った方法で処分しなくてはならないことをお伝えしてきました。
コロナ禍をきっかけにリモートワークも増え、オフィスの縮小・分散を行う企業が増えています。
その影響でOA機器の余剰を手放すケースが増え、処分方法に悩む担当者もいるでしょう。
適切に廃棄をしないと廃棄を依頼された業者はもちろん、廃棄を依頼したあなたにも責任が問われることになります。
これから処分する予定がある場合は、本記事を参考に正しい方法で処分するようにしましょう。